【30・後編】2人が見つめていたものー「アイノとアルヴァ 二人のアアルト展」/世田谷美術館

2021年7月15日

いいもの探し【30・後編】世田谷美術館(美術館)

ittaraの「ボルゲブリック」シリーズ ( デザイン = アイノ・アアルト )


「アイノとアルヴァ 二人のアアルト展」ブログ後編です。

フィンランド出身の建築家の巨匠 アルヴァ・アアルトとその妻アイノ・アアルトの手掛けた作品の中に、イッタラの食器があります。
展覧会後半、外の庭が見える展示室にはアアルトブランドの名作たちが展示され、その中に今も作り続けられているイッタラのガラス食器も並べられていました。


北欧雑貨が好きな方にはおなじみの食器なのではないでしょうか。

アーロン・クッカ(アアルトの花)。名前の通り、重ねると花のようです
サヴォイ・ベース(花瓶)。独特な曲線の形はアルヴァの手書きなのだとか
ボルゲブリックシリーズ。リング状の段々がついたデザイン。淡い色合いがステキ!

この“ボルゲブリックシリーズ”ってアイノ・アアルトのデザインだったのね~!とちょっとびっくりしました。
このシリーズは、1932年イッタラのコンペで2位、1936年ミラノトリエンナーレ(長い歴史をもった権威ある展覧会です)で金メダルに輝きました。
当時のガラスは今より品質的に粗悪でしたが、それに問われることなくデザインを楽しめるように、と考えられて作られたそうですよ。重ねて収納できるので、日常使いしやすいのも嬉しいですよね。

この展示室は、1939年ニューヨーク万国博覧会でのフィンランド館が一部再現されていました。(フィンランド館 設計デザイン=アアルト夫妻)

窓から見える庭の景色と自然のぬくもりを感じさせる作品がとても良く調和していました。この展示方法は素敵だったなぁ


世田谷美術館を設計した建築家 内井昭蔵が掲げた、この美術館のコンセプト「生活空間としての美術館」「自然と共にある建物」と、アアルト夫妻の追い求めた「人と自然の融合した心地よい建築」。両者の思いがピタリと合った空間に思えました。





展覧会の最終章では、ご家族のプライベート写真や、二人の描いた油絵、私物などが公開されていました。
展示会場の一角に、家族の日常の様子が動画フィルムで流れていたのですが、アルヴァやアイノ、子どもたち、皆が楽しそうに笑っていて、とても素敵な映像でしたね。アアルト夫妻が家族と過ごす日々をとても大切にしていたのが伝わってきました。

アイノの描いた絵

たくさんの家族写真
愛おしそうに子どもを見つめるアイノ
ボルゲブリックの為のスケッチ
デザインのテキスタイル見本(アイノ)
植物をモチーフにしたテキスタイル用デザインスケッチ(アイノ)


会場を出てすぐの廊下。エンドロール(と勝手に受け止めた)

アイノとお子さんの写真がフラッグになって
自由に座れます。余韻に浸っても良し

世界的建築家・デザイナーと言われ、名声も得ていた2人の見つめる先には、常に自分の家族や子どもたちがいる日常があって、その日常をいかに心地よく、穏やかに暮らしていける仕組みを作るのか、そんな思いが原点にあったように思えます。
アイノが54歳で病で亡くなるまで、才能ある2人が同じ方向を見て進んで行けたのはそれだけお互いがお互いを尊重する事ができていたからなのでしょうね。

デザインの根底にある生活に根ざした視点や、プライベートな一面を知って、巨匠が少し身近に感じ、すっかりアアルト夫妻のファンになって美術館を後にしたのでした。



【お店情報】
世田谷美術館
〒157-0075 世田谷区砧公園1-2
公式ホームページ

※世田谷美術館へお越しの際は、事前にHP等で展覧会のスケジュール、美術館の規定・お願いをご確認の上、ご来館をお願い致します。

自宅のアアルトの椅子。写真では上手く飛んでいて見えませんが、背もたれが薄汚れるほど毎日座っています

【いいもの探し】ライファ大塚では、お客様だけでなく私たち自身も心豊かな暮らしを送るために、常に「良質なもの」(商品、サービス、お店、建物、アイデア、…etc.)を探すアンテナを張っていたいと考えています。リフォームに直接関係あるもの、ないものに関わらず「これ、いいね」と思うもの。もし見つけたらぜひ皆さんにも紹介したい!仕事の合間を縫って、社内でも探求心の強いケイコ、コジマのコンビが事務所を飛び出し、ゆるくブログでレポートします。