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【35・後編】「近代洋画の父」と呼ばれた人物は/黒田記念館

2021年10月29日

いいもの探し【35・後編】黒田記念館(美術館・登録有形文化財)

正面入口

趣のある建物内のコーヒーショップでひと息ついた後は、さて見学。「黒田記念館」…画家の黒田清輝の、ってことですよね。

入口扉を入ると
階段手摺も素敵
壁紙まで

果たしてこの黒田記念館、黒田が遺産の一部を美術の奨励事業に役立てるよう遺言し、建てられたということです。なんとも重厚で豪華ではないですか。

2階の「黒田記念室」で作品を見ることができます。天井の穏やかな光は、竣工当初は自然光を活かして絵画を見せられるようになっていたとか(現在は人工照明)。イーゼルや絵の具箱などの遺品も展示されていました。

この日は期間外でしたが、代表作の「読書」「舞妓」「智・感・情」「湖畔」を展示した「特別室」を年3回、新年、春、秋に各2週間、公開しているそうです(詳しくは公式ホームページでご確認ください)。絵画に詳しくなくとも、有名な「湖畔」は目に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。それにしても、これだけ知名度の高い作品がまとめて収蔵されていることにビックリです(著名な画家の代表作というと、大抵いろいろな美術館や収集家が所蔵していることが多いような気がします)。

コジマは(美術を学んでいたのに!)「この場所に記念館、まあ藝大(東京美術学校)の先生だったとかでしょ」という程度の認識で見学開始。…解説を読むとそれどころではない人物で、いや驚いたこと、本当に恥ずかしい。

子爵の家に育ち、という生い立ちもさることながら、法律を学ぶため渡仏したにも関わらず途中絵画を志すという意外性…!(どちらの道に進むかの迷いもあったようですが)帰国後は東京美術学校教授も務め、爵位を継ぎ政界にも進み(政治的にも)日本の美術教育にかなり貢献し、そのため画家としての活動はあまり長くできなかったようです。(詳しくは東京文化財研究所による黒田清輝の生涯と芸術をご参照ください)

(藝大の)教授などというと最初からアカデミズムの中心であったかのような印象ですが、帰国当初はフランスで得たものと旧来の日本美術界の価値観との違いなど様々な軋轢もあったようです。この時代に美術界を引っ張った人々が、裸体画など(今では当たり前のもの)を当たり前にしてくれたんですね。

最初はレトロな建築(国の登録有形文化財に指定されている)に惹かれて入館しましたが、この空間でこの人物の足跡をたどってみると、我々の時代にかなり自由な美術教育を受けられるようになったことを、感謝せずにはいられませんでした。

次の機会には(できれば特別室公開時)、美術行政の偉人としての面とは別に、画家としての黒田清輝の「構想画」への強い想いを感じながら鑑賞したいものです。

ちなみに入場は無料。 特別室公開期間でなければあまり混雑していないのではないかと思います。上野の山の散策時、ちょっと立ち寄るのにおすすめしたいスポットです。

【施設情報】
黒田記念館(くろだきねんかん)
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
公式ホームページ
↑黒田清輝についても詳しく記載されています

ブログ前編の(上島珈琲がある)別館の内部からも繋がっていますが、正面入り口が素敵なのでぜひ正面から入館してみてください。


【いいもの探し】ライファ大塚では、お客様だけでなく私たち自身も心豊かな暮らしを送るために、常に「良質なもの」(商品、サービス、お店、建物、アイデア、…etc.)を探すアンテナを張っていたいと考えています。リフォームに直接関係あるもの、ないものに関わらず「これ、いいね」と思うもの。もし見つけたらぜひ皆さんにも紹介したい!仕事の合間を縫って、社内でも探求心の強いケイコ、コジマのコンビが事務所を飛び出し、ゆるくブログでレポートします。