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【33・前編】文化の杜の奥には/国際子ども図書館

2021年8月20日

いいもの探し【33・前編】国際子ども図書館(国立国会図書館)

この夏も容赦ない暑さがやってきています。美術展を観に上野の山に来た二人、あまり外を移動せずに行けるところは…。
コジマの記憶を頼りに、黒田記念館と京成旧博物館動物園駅の間の道を少し入ると見えてきたのは、重厚な建物に現代的なアプローチ。

1900(明治33)年に帝国図書館として着工したこの建物、当初の計画案では中庭を囲むロの字型の古典的なスタイルのものでした。予算の追加が得られないため規模縮小して一部が完成、その後1929年に増築して写真の模型の手前側(レトロな部分)が完成しました。
2002年に子ども図書館として開館するまでに免震工事や修復がなされ、さらに現代的な意匠のアーチ棟の増築を経て2015年に現在の形になったということです。

古い部分の建造年代の差の他に、後年の修復・増築の仕方がとても面白いところです。当時外壁であった部分をガラス壁で覆い、廊下やテラスのようにしている部分(張り出し窓)が随所にあり、例えば2階3階の外壁など、普通目にすることが難しいところを間近で見ることができるのです。

ゴマ掛け煉瓦
窓周辺の装飾は銅の鋳物
白丁場石でしょうか
見える部分のみ釉薬を掛けた白薬掛け煉瓦
ガラス壁の増築により屋内化

タイル好きのコジマが、特に注目したのは白い部分です(なんとタイルではなくレンガ積み)。アーチ部分の造りも目を引きますが、角の部分が凄い!通常タイルでは「役もの(やくもの)」といって、直角や面取りしてあるのですが。直角といえば直角ですけど、ゆるいカーブなのです。もしかすると、レンガだから可能なのかも…?

この白いのが煉瓦、ってだけでも驚きですが
このカーブ!その辺で見かけることはまずないですね
これが、よく見る一般的な「役ものタイル」です

それからよくみると修復の部分、真っ白でもなく微妙なトーンのアイボリーやグレーの(おそらく)タイルを混ぜて、全体の雰囲気を壊さないようにしているのがわかりますね。関わった方々の工夫と苦労が忍ばれます。

目地がグレーの部分

実は数年ぶりの再訪だったのですが、たまたま立ち寄った程度で「こんな場所にあるんだ。あまり知られてないけど、今度またゆっくり来てみよう」と思っていた建物でした。その間に親となり「子ども図書館」という言葉に別の期待を持つようになっていましたが、さてさてその中身は…?
レンガなどに熱く語ってしまったので、「子ども図書館」としての機能、それから外装に勝るとも劣らない素敵な内装については、次回ご紹介したいと思います。

【施設情報】
国立国会図書館 国際子ども図書館
〒110-0007 東京都台東区上野公園12-49
公式ホームページ


【いいもの探し】ライファ大塚では、お客様だけでなく私たち自身も心豊かな暮らしを送るために、常に「良質なもの」(商品、サービス、お店、建物、アイデア、…etc.)を探すアンテナを張っていたいと考えています。リフォームに直接関係あるもの、ないものに関わらず「これ、いいね」と思うもの。もし見つけたらぜひ皆さんにも紹介したい!仕事の合間を縫って、社内でも探求心の強いケイコ、コジマのコンビが事務所を飛び出し、ゆるくブログでレポートします。